【S30シングル 最終4706位】電磁波環境におけるトリックルームの考察と検証

ポケモン

シーズン30お疲れ様でした。

今月は、順位としてはシーズン29よりは上位になったとはいえ、決して満足いく結果とは言えなかったのだが、最初の50戦は、ある仮説を立ててランクマッチを潜っていた。

それが「電磁波環境である今、トリックルームが強いんじゃないか」というというものである。

電磁波環境とは、この禁止伝説二体ルールが始まってしばらく経過したシーズン28からの傾向で、それまでのルールとは違い、攻撃力の急激なインフレにより受けに回る耐久ポケモンが不利な状況が多く、結果として上から攻撃できる高速アタッカーが多く採用されたという流れから、相手ポケモンの素早さを電磁波などで奪い、自分が常に上から攻撃できる盤面を作るという戦術が流行している環境のこと。

つまり、トリックルームで行動順を逆転できれば、耐久を犠牲にして素早さに振っている高速アタッカーを一網打尽にできるのではないか、という風に考えたのである。

しかし、いきなり初手からトリックルームを決めたとして、相手の持ち物や型の判別がつかないままで、5ターン以内に3体を倒しきることは不可能に近いので、序盤は有限ではあるがサイクル戦を展開しつつ、最後の詰め筋としてトリックルームを選択するという戦術でランクマッチに臨むことにした。

結果、50戦30勝20敗で勝率6割と結構環境に刺さっているのではないかと感じられたので、構築記事として記していこうと思う。

現環境に一石を投じることができたら嬉しいが…そこまで影響はないだろうけれども、初見のお相手には結構強いと思うので、5桁順位の方で構築を迷っているなら、試してみてはいかがだろうか。

構築経緯

まずは、トリックルームを使うポケモンを採用するにあたって、環境に多く存在するザシアン黒バドレックスに強い(又は数回行動保証がある)という条件は必須であると思われたが、そんな便利なポケモンは存在しないとすぐに判明し、それぞれに役割を分散させる形でHBシャンデラとHDポリゴン2の2体を採用することにした。

次に、トリルアタッカー(トリックルーム下で上から攻撃できる低速アタッカー)としてディアルガを、スカーフを持たせることによって対面操作とトリルアタッカーの両方を任せられそうな霊獣ランドロスを採用。

このままだと、ラキヌオーなどの受けポケモンを崩すことが困難なために、崩し要因とトリックルームが有効でない構築に対して選出できるアタッカーを兼ねて悪ウーラオスゼルネアスを2体ともS特化で採用して、ひとまず構築が完成した。

個体紹介

特性:ほのおのからだ
持ち物:ゴツゴツメット
性格:ずぶとい(A↓、B↑)
努力値:HB252、C4
167-x-156-166-110-100

トリックルーム枠その1。

HBに振り切ることで、ザシアンのA特化巨獣斬でさえ2耐(39.5~46.7%)してくれる、この構築の要。

ザシアンが入っている構築には安定して投げられる上に、マジカルフレイムを採用することで、ザシアン~特殊アタッカーへ交代された際にも相手の火力を下げられる点がとても強かった。

この動きを1サイクル目で見せておくことで、ザシアンと組まれていることの多い黒バドレックスイベルタルなどの後投げを2回目以降抑制できるので、トリックルームを安定して展開することができた。

回復の手段としてとりあえず採用した「いたみわけ」だが、相手の退き先がラッキーハピナスだった場合に、体力を大幅に削ることができたのは何気に強かった。

尚、霊獣ランドロスにはどうあがいても勝てないが、こらえることでダイマックスターンを枯らせるくらいの仕事はできた…それで勝てた試合はなかったがww

特性:ダウンロード
持ち物:しんかのきせき
性格:ずぶとい(A↓、B↑)
努力値:H252、B62、D196
192-x-129-125-140-80

トリックルーム枠その2。

シャンデラでは重い霊獣ランドロスや、ザシアンがいない黒バドレックス構築に役割を持たせたかったので、D全振りではなく、Bに多少振ることになった(サイコショックも多少意識)。

また、こちらの型がHD振りと判明するや否や、相手のドラゴンタイプ(主にゼクロム)が竜の舞の起点にしようと後投げしてくることが多かったのも、トリックルームが機能した大きな要因の一つではないかと思われる。

ゼクロムは電磁波環境下での回答の一つで、自身に電磁波が効かないこと、ダイジェットを半減で受けられること、竜の舞で素早さと攻撃を上昇させられることが評価されたポケモン。
ポリゴン2の電磁波読みで出されることが多々あった。

特性:フェアリーオーラ
持ち物:パワフルハーブ
性格:おくびょう(A↓、S↑)
努力値:CS252、B4
201-x-116-183-118-166

受けポケモンの崩し+非トリル下でのエースアタッカー。

ザシアン/イベルタル構築に初手で選出することで、相手のザシアンを呼び、シャンデラのところで紹介した動きに誘導しやすいという点では、かなり使いやすかった。

また、低速、高耐久ポケモンに対してはトリックルームが有効でないため、そういった構築に当たった時にも強く出られるようにと、あえてCS特化としたが、正直、再考の余地はあるように感じた。

それにしても、ジオコントロールを積むタイミングは非常に難しい…相手の構築にメタモンがいた場合は日和って選出できなかった。

特性:不可視の拳
持ち物:拘り鉢巻
性格:ようき(C↓、S↑)
努力値:AS252、H4
176-182-120-x-80-163

説明不要のAS特化型で、受け崩し専門アタッカー。

今回の構築の狙いが「高速アタッカーをトリックルーム下で倒す」な為、受け構築以外の相手に対してもこの絶妙な素早さ(早くも遅くもない)がとても使いやすく、当初の想定とは違った活躍を見せてくれたポケモン。
トリックルーム最終ターンにダイジェットを積むことで、次のターン以降はS関係が逆転した状態となり、トリックルームが切れた後でも上から攻撃できる盤面ができる。

また、相手のダイジェットを非常に呼ぶ為、倒された後の展開でトリックルームが有効な場面を残すことが多かったのも、この構築には合っていたように感じた。

尚、暗黒強打を連発するだけでも十分強い。

特性:プレッシャー
持ち物:とつげきチョッキ
性格:ひかえめ(A↓、C↑)
努力値:HC252、B4
207-x-141-222-120-110

トリルアタッカーその1。

当初は命の珠で運用しようとしていたのだが、あまりにもカイオーガが重い為、とつげきチョッキに切り替えたら安定したので、この型に決定。

範囲を優先した技構成のおかげでトリックルーム下での制圧力はすさまじく、殆ど全ての禁止伝説に勝つことができた。

が、相手の受けポケモン(ラッキー、ハピナス、ムゲンダイナ)には滅法弱く、相手の3体全てが判明してからでないと思い切ってダイマックスを切れないという展開も数多くあったため、予想通りの活躍を見せてはくれたが、予想を大きく上回る活躍は見られなかった。

特性:いかく
持ち物:拘りスカーフ
性格:ようき(C↓、S↑)
努力値:AS252、B4
164-197-111-x-100-157

トリルアタッカーその2兼対面操作型。

相手の構築が受けよりならば、とんぼがえりで有利対面を作り、ダイジェット等で相手のSが上昇した盤面ではポリゴン2等のトリックルーム後にダイマックスを切って応戦する(ダイマックス時は拘りアイテムが解除されるので、一時的にS±0になる)という運用がとても便利で使いやすかった。

また、初手に選出するとすぐに持ち物がスカーフだとばれてしまうというデメリットを逆手に取り、相手からトリックルームを使う構築だと判断させにくいという心理的効果も生んだように思う。

※一般的に、拘りスカーフで採用している型はSに努力値を割いている場合が多く、トリックルームとは相性が悪いというのが一般的な認識。

選出パターン

黒バドレックス/ザシアン構築  … ゼルネアス(初手)、シャンデラポリゴン2

ゼルネアスが初手ザシアンを強烈に呼ぶため、ゼルネアスザシアンの対面になる場合が多かった。

その後、シャンデラ(交代)→ザシアン(巨獣斬)→ゴツメダメージの展開となり、
シャンデラ(マジカルフレイム)が交代先候補である黒バドレックスにもザシアン居座りにも有効に働くので、こちらの技選択としてマジカルフレイムが安定したので割と勝率はよかった。

イベルタル/ザシアン構築 … ゼルネアス(初手)、シャンデラディアルガ

黒バドレックス/ザシアン構築と殆ど同じ展開になった場合は勝ちを貰えたが、初手イベルタルが物理タイプであることを全く考慮していない(切っている)為、想定外からのイベルタルダイスチルで全てを破壊される試合が後半に多々あった。
この構築に苦手意識を持っていなければもう少し勝率は上がったかもしれない。

カイオーガ/ザシアン構築 … ランドロス(初手)、シャンデラディアルガ

ランドロスの対面操作により、カイオーガの潮吹きをチョッキディアルガで安定して受けきる流れがとても強く、その後のザシアンシャンデラに任せているので思い切ってダイマックスを切ることができた。
尚、カイオーガの型の判別がとても難しく(チョッキ、珠、スカーフ等)、場合によってはディアルガより遅い型の可能性もあったため、トリックルームを選択することはなかった。

・受け構築(ムゲンダイナ/ホウオウ等) … ランドロスポリゴン2ゼルネアス 又はウーラオス

結論から言うと、全くもって歯が立たなかった

これは構築単位で重いとかそういう問題ではなく、受け構築使いの方々はプレイングが丁寧でミスを殆どしてくれないので、付け入る隙が無かったという印象しかない。
当たってしまったら運が悪かったと素直に諦めるのも一つかもしれない。

ゼルネアス/ゼクロム構築 … ゼルネアス又はディアルガランドロスポリゴン2

相手のゼルネアスがジオコントロールを積む又は相手のゼクロムが竜の舞を積むタイミングに合わせてトリックルームを展開する動きが想像以上に強く、ランドロスがいい仕事をしてくれた。

感想

検証結果としては、電磁波環境下でトリックルームは有効と言ってもいいかなと感じた。
ただし、過信は禁物であることは言わずもがなである。

何より、この電磁波環境下で相手に打たれる電磁波が怖くない(少しだけ)というマインドでランクマッチに望めたのが個人的にはメンタルが比較的安定して良かった。

※最終日付近で、検証が終わったのでもう潜る必要なんてなかったのにフォロワーの方々の奮闘ぶりに触発されて3桁順位獲得を欲張ってしまった(結局ダメだった)のは、まだまだ私も未熟だなと反省。

次は、3桁順位に到達した構築記事を書いてみたいと思いながらもその道のりは遠いようだ。

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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